え、ダルフール紛争って、もうおわったの?
先のエントリー
ダルフールで何が起きているのか。 - フランシーヌの場合は
のブコメ。
id:swan_slab Sudan see also http://d.hatena.ne.jp/mescalito/20090905/p1 ダルフール紛争が進行形であるかのような認識が日本では根強い。これは誤解。ここ2ヶ月の欧米の報道を注視すれば喫緊の問題が武装勢力との対話や南の紛争再燃に移ったのがわかる
はてなブックマーク - ダルフールで何が起きているのか。 - フランシーヌの場合は
マジでか!ほかならぬすわんさんだから信憑性も高いんだろうと思って、すわんさんのエントリーやいくつかニュースを見てみる。と、僕の感覚では、終わったなんてハッキリ言える情勢ではないように思えた。
ちゃんと理解できている自信はないが、先に僕の見解だけまとめて書くと、
- ダルフール紛争が終わったのどうのと言ってるのはアメリカくらいで、そこも議論が分かれている。
- 大規模な戦闘は終結した。(もしくは雨季だから沈静化している)
- 避難民が帰郷できるほど治安は回復していない。
- 武装勢力の統一はようやく始まったところ、まだ対話まで遠い。
南部については、
続きを読む南部スーダンでランドクルーザーが大渋滞している件
このエントリーでは、スーダンの歴史や現状を、ざっくりまとめた。このあたりの知識は、ダルフール問題をもっと広い視点でとらえる手助けにもなると思う。
タイトルは釣りっぽいけど本当。南部スーダンの中心都市ジュバ(Juba)において車両整備事業をやっている、JVCの今井さんからそう聞いた。
JVC は、日本の国際協力NGOで、スーダンでは車両整備による国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国際NGOへの協力と、帰還難民の職業訓練として整備士育成を行っている。今回、一時帰国中のスーダン現地代表の今井さんと、整備士として現地で3年間研修生を育て、任期を終えて帰国した井谷さんの報告会があり、僕はJVCでボランティアをやっているおかげで、都合3回も聞くことができた。
このエントリーは、その3回の報告会をベースに書いている。
ファシリテーションの基礎
FASIDの研修、NGOディプロマコース3学期「NGOの組織強化」を受講している。今回は「ファシリテーション」をテーマに、Be-Nature Schoolの森 雅浩代表を講師に向かえ、その基礎を教わった。Be-Nature Schoolはファシリテーション講座を主催しており、そのコースの監修役、また講師として、中野民夫氏を迎えている。中野氏は『ワークショップ』『ファシリテーション革命』の著者である。
http://www.be-nature.jp/facilitation/index.html
以前受講した中田氏の研修では、ファシリテーションを、気付きを与えるためのコミュニケーションと捉えていた。
本音を引き出すインタビュー術と、和田流ファシリテーション術 - フランシーヌの場合は
今回の研修では、ファシリテーションを「<誰>が、<何かする>ことを容易にする」ことと定義し、会議やワークショップでのファシリテーションが想定されていた。こちらのほうが一般的に認識されているファシリテーションに近い。
そういえば、中田氏の『人間性未来論』の推薦文を中野氏が書いていた。
参加と相互作用で、他人事を自分事に
参加と一口に言っても、そのレベルは様々あるが、ここでは、参加者が場の構成要素として関わることで、全体が機能する場を参加型の場という。
そして参加者の相互作用が働くことで、1+1が3,4になるようなシナジーが発生する。
この2点によって、場を他人事ではなく、自分事にする。これがもっとも大事なことだ。
販売×購買
FASIDの研修、NGOディプロマコース3学期「NGOの組織強化」を受講している。今回は「販売×購買」というテーマで、 FAR EAST 社長の佐々木敏行氏を講師に迎え、輸入品の商品開発、マーケティング、販売の、実例、成功例、そしてそこから成功のためのエッセンスを教わった。
FAR EASTは、アフリカで商品開発して、輸入・販売をしている会社。コンセプトは、ナチュラル、オーガニック、そして歴史、ストーリーを持った商品。アフリカの各地に出向いて、そこで出会ったものを商品化する。日本市場に出せるように、現地の生産体制を整える。
商品の例としては、
- エジプト デーツのドライフルーツ
- 世界各国の塩
- ケニアのシングルマザーが作る、一人一人デザインのちがうセラミックビーズ
製品を開発して貿易を行うのは、なんだかネオアトラスみたいだ。
社員11人の小さな会社ながら、その商品は伊勢丹や表参道ヒルズで大いに売れ、また三越お歳暮カタログの企業が何千万も出して買うスペースに、招待でタダで載せられたりしてる。
FAR EAST BAZAAR
以下、講義で勉強になったところをまとめる。
購買の現場を徹底研究、マーケットの需要を見極める。
製品開発をしていると、客をユーザーとして捉えがちで、如何に満足して使ってもらうかというほうに意識が行く。しかし、いくらいい物を作ったとしても、ユーザーになってもらうまでには分厚い壁がある。
物を売るには、まず物を売る現場を見ることだ。*1この段で、机上の理論は役に立たない。
どういう客層が、どう時間をかけて商品を選んでいるのか、棚の配置はどうなっているのか、コンビニで棚左上のゴールデンスポットにはどんな商品があるのか。
たとえば食品なら、伊勢丹地下1階を見るのがいい。今ほかの百貨店はこぞって伊勢丹地下1階を視察し、そのエッセンスを盗もうとしている。
映画『ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷』2/14トークイベントレポート
ゴレ島から奴隷と共に拡散していったアフリカ音楽は、ブルース、ジャズ、ゴスペルといったブラックミュージックとなって発展した。ブラックミュージックのルーツを辿ろうとすると、奴隷の歴史を避けては通れない。ユッスー・ンドゥールは、この2つのテーマ、ブラックミュージックのルーツと、奴隷の歴史に、真摯に向き合うロードムービーを作り上げた。
2009/2/14に日本で公開された『ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷』、その初日は上映に先駆けてトークイベントがあった。ゲストは音楽評論家のピーター・バラカン氏と、アムネスティ・インターナショナルの日本事務局長、寺中誠氏。アムネスティは人権を守る活動を行っているNGOだ。
映画はセネガルのゴレ島からはじまる。
The Point of No Return。この島は、かつてアフリカの奴隷貿易の拠点であり、アフリカ各地から奴隷が集められ、この場で取引された後、世界各国へと売りに出された。
ブラックミュージックは奴隷とともに世界に拡散し、行き着く先の文化に影響を与えてきた。300年続いた奴隷貿易の中で、当初はセネガルなどの西アフリカの国々から調達されていたが、次第にコンゴ、アンゴラなど中央アフリカからも売られてくるようになった。西アフリカはサバンナ気候、中央アフリカは熱帯気候であり、その違いが音楽性の違いにもなっている。このため、奴隷を輸入する側は、時期によってさまざまな影響を受けることになった。