「戦争・写真 そしてメディアの危機」tsudaりまとめ。

早稲田大学で今やってる、WASEDAフォトジャーナリズムフェスティバル。
http://www.daysjapan.net/waseda/index.html
メインの期間は今日から2週間で、フォトジャーナリズムをテーマにした様々な展示やシンポジウムを無料でやってる。明日は無料のコンサート。加藤登紀子(@TokikoKato)さんやアイヌチェルノブイリの方が出る
共催のDAYS JAPANは、フォトジャーナリズムメディアとして、例えば今年はじめのガザや、アフガニスタン、日本だと原発に揺れる祝島を取材してきた、日本では大変貴重な雑誌。


ちなみにこの雑誌が存続の危機に瀕していて、定期購読者が500人増えたら存続でき、1500人増えたら運営が安定するんだって。
一冊定価820円が年間8,700円で届けてもらえるっていうので会場で申し込んだ。キャンペーンで7,700円になったんだけどwebには情報ないので会場限定だったのかな。
http://www.daysjapan.net/subscription/index.html


話者は白山眞理氏(日本カメラ博物館運営委員)、広河隆一氏(「DAYS JAPAN」編集長・フォトジャーナリスト)、上杉隆氏(ジャーナリスト)。上杉さんはネットでは記者クラブ批判の旗手として有名。
tsudaりは自分で大事と思うところをまとめてたので、自分のつぶやきが中心になるけど、他の方のも入れてったらいい感じに補完できた。
他の方の投稿には頭にIDをつけた。

白山眞理「日本の戦争の時代、報道写真家たちはどう生きたか」

  • 広河「戦争になるとメディアはこんなにも簡単に取り込まれてしまうのかという思いがあった。戦時中のジャーナリストの動きについて、白山さんにはなしてもらう。 #daysjapan posted at 14:10:32
  • 白山「1930〜40年代の日本の報道写真について話す。この頃の写真家といえば、土門拳木村伊兵衛名取洋之助#daysjapan posted at 14:12:30
  • 白山「日本の様子を伝えるため、彼らがLIFEに送っていた写真が、「日本人は野蛮である」といった文脈で利用された。 #daysjapan posted at 14:18:38
  • 白山「日本が、外国の世論に影響を与えるため、日本はひどくないんだといった意図をもって集められた写真を外国に配信した。彼らの写真もそこに利用された。 #daysjapan posted at 14:22:50
  • 白山「名取による退廃的な様子の上海の写真が、雑誌シャンハイに掲載された。これは謀略宣伝雑誌で、名取は陸軍の仕事を受けていた。この写真はアメリカのグラフ誌に無記名で掲載された。 #daysjapan posted at 14:27:58
  • 白山「土門拳がそんな中、政府によって恣意的に採用される類型化した報道写真を否定した。また彼は、報道写真を、デザインとキャプションがある中で生きるものとして捉えていた。 #daysjapan posted at 14:31:29
  • 白山「土門と仕事をしていた原は、写真は現実を切り取った「かくあるもの」だが、ときには「かくあるべきもの」として編集される。戦争においては後者をとると言った。 #daysjapan posted at 14:33:29
  • 白山「写真家の作品は、デザイナーさらに編集者によって手が入れられて伝えられる。戦時下はさらに国家総動員によって全てが国に取り込まれる。そんな中での報道写真は、宣伝写真であった。 #daysjapan posted at 14:37:02
  • 広河「写真家というと幅広いが、僕らはフォトジャーナリストというところにアイデンティティを持っている。そこには志や倫理が含まれてる。 #daysjapan posted at 14:40:21

広河隆一「現代の戦争報道とメディアの役割」

  • 広河「大学を出てイスラエルに行った。その頃イスラエルには、政府の戦争ということが言われていて、それをおかしいという市民の声があった。その声は潰され、イスラエルは右傾化していった。 #daysjapan posted at 14:47:55
  • 広河「当時戦争を仕掛ける側から、戦車の後ろから写真を撮ることに屈辱を感じた。仕掛けるのは大抵西側で、取材も容易。一方で着弾点で取材することは非常に困難。 #daysjapan posted at 14:51:35
  • 広河「ジャーナリストをシャットアウトしてるところでは、報道されたくないことが行われている。そういうところこそ、何としてでも入って、報道しなければならない。 #daysjapan posted at 14:54:25
  • 広河「現在の報道では、爆弾の下で苦しんでいる人や、なぜそんなことが起きているのかまでは追跡されず、見る側も彼らの苦しみが想像できない、彼らの声が聞こえない。そういう危機的な状況にある。 #daysjapan posted at 14:58:19
  • 広河「イスラエルの人道的で感動的な写真がピューリッツァー賞を取ったが、実はイスラエルの右翼活動家の女性だった。パレスチナからのロケット弾の写真は賞を取ったが、ガザへ打ち込まれる写真は賞を取らない。 #daysjapan posted at 15:01:58
  • 広河「戦争はたいてい自分がやられたと言って始められる。そして見たくないものは数十キロ先で起きてる惨劇でも目に入らない。そして自分達を完全な被害者の立場に置く。 #daysjapan posted at 15:07:00
  • machuiii:#daysjapan 爆撃のすぐ側での数多の叫び声、被害状況に対する想像力を失ってしまっている。「きれいな戦争」のイメージが形成される。 posted at 15:31:11
  • 広河「ジャーナリストの仕事は、人間の尊厳のためにある。 #daysjapan posted at 15:08:51
  • kanakob:広河:ジャーナリストであるというアイデンティティを失う・・・メディアが戦争に取り込まれる #daysjapan posted at 14:58:32
  • kanakob:広河:爆弾が落ちる先に何があるか。 #daysjapan posted at 14:59:41
  • kanakob:広河:ジャーナリストの仕事をする人は、いる。しかし、それを発表するメディアがないからDAYSJAPANを作った。 #daysjapan posted at 15:01:04
  • kanakob:広河:犠牲者の写真を、被害者の写真を見る機会は少ない。犠牲者があたかもいないかのように #daysjapan posted at 15:01:59
  • kanakob:広河:イスラエル、自分たちが犠牲者であるという情報しか流さない。ガザ空爆支持90%のわけはそれ。 #daysjapan posted at 15:05:01
  • 広河「私たちは数多くのニュース、そのヘッドラインだけを見て世界を理解した気になってしまう。大切なのは、その背景。そしてそこにある人間の尊厳だ。 #daysjapan posted at 15:12:13
  • kazemachi:#daysjapan 広河さん「アラビア語のカディーヤ。大義とか正義と訳されるが、それは意味の一部で、本来の意味は背景にある歴史や文化を含めて見るということ」ジャーナリズムはこのレベルまで掘り下げること、という話だった。 posted at 15:15:16
  • シンケンジャーの本読んでる子供も客席にいる。殿と唐橋今日かっこよかったね。 #daysjapan posted at 15:14:17

上杉隆「メディアの危機とジャーナリズム」

  • 上杉「NYT時代、小渕総理にインタビューを申し込み、OKを受けた。記者クラブに報告すると、インタビューは認められないと言ってきた。記者クラブが全てのインタビューの権限をとると決めて以降、ずっとある問題。 #daysjapan posted at 15:38:38
  • kazemachi:#daysjapan 記者会と揉めている最中に小渕首相は急死した。 posted at 15:37:43
  • 上杉「NYTでは、何度も記者クラブ問題が大きく取り上げられ、自分も最近もその件でいろんな国のメディアから取材を受けた。しかし日本のメディアで取り上げられることはない。 #daysjapan posted at 15:42:28
  • 上杉「世界ではジャーナリズムが力を合わせ、政府に情報公開を迫っている。日本では政府が情報を出そうとしても、ジャーナリストが情報を閉じてしまう。 #daysjapan posted at 15:45:54
  • kazemachi:#daysjapan 上杉「亀井大臣友達として金融大臣の会見にでた。あまり持ちたくない友達ですけどね(笑)こういう時には強力!亀井大臣の記者クラブ主催と大臣室での会見の話はタイムズでコメディーになった。日本は政治家が会見を開くと言ってるのにメディアが断わる。」 posted at 15:47:08
  • machuiii:記者クラブは最早世界遺産笑 上杉さんの話 #daysjapan posted at 15:48:27
  • kazemachi:#daysjapan 上杉「会見のオープン化の確認を小沢代表にしたときだけ。新聞は小沢代表会見全文ではなく詳報になった。全文から私の質問だけが抜けていた」 posted at 15:51:51
  • kazemachi:#daysjapan 上杉「人の言ったことは疑うのに役人が言ったことは信じるのが記者クラブの習性。」 posted at 15:55:31
  • 上杉「記者クラブの問題は、国民一人一人の問題。日本ではスキャンダルはたいてい記者クラブ外のメディア、海外メディアに報じられる。例えば年金記録問題や、インフル。そういうメディアの報道を否定する形で役人が記者クラブにウソを流し、メディアは鵜呑みにして報道する。 #daysjapan posted at 15:55:38
  • kanakob:上杉:本当のことを知っているのにかくしている。大東亜戦争と同じことをやっている、薬害エイズ、年金も。 posted at 15:56:45
  • 上杉「もし記者クラブにそれらの真実を知るジャーナリストがいれば、防げた被害もあったのではないか。記者クラブの問題は、そういうところにつながっている。 #daysjapan posted at 15:57:24
  • 上杉「記者クラブ批判をしてから、テレビへの出演依頼がなくなった。生放送で記者クラブの話をされるのを防ぐためだが、同時に他の出演者に記者クラブの話をさせないための圧力になる。 #daysjapan posted at 15:59:55
  • kazemachi:#daysjapan IOC総会の鳩山首相の会見だけ入れなかった。日本の政治家は海外で日本の記者だけに話をしていて独りよがりな報道。海外メディアも日本のことを報道できない。海外への発信力が記者クラブ問題のために低下する。 posted at 16:04:09
  • 上杉「海外メディアは、ジャーナリストも人間、メディアも人間の作ったものという前提にある。NYTには大きな修正欄があり、事実誤認や追跡調査で明らかになったミスが掲載されている。ミスを認めて正しい情報を報じることが読者のメリットになる。 #daysjapan posted at 16:05:39
  • 上杉「これまでも、政治家や警察に対してのみ取材して記事が書かれてきた。海外でもこういうメディアはあり、それを広報と呼ぶ。 #daysjapan posted at 16:10:41
  • kazemachi:#daysjapan オバマが立候補表明した頃は泡沫でYoutubeでもテレビでもマリファナ疑惑を追及された。オバママリファナは吸った。肺にも入れた。しかし失敗だったと分かっていると正直に答えた」 posted at 16:16:03
  • kazemachi:#daysjapan この正直さに感動したある少女は親から小遣いを前借りして大統領選挙の開票時にニューヨークからオバマ陣営がいるミシガンに飛んだ。歴史が変わる瞬間を見たかった。将来の子や孫にそれを伝えたかったから。 posted at 16:18:59
  • 上杉「記者会見で、海外では好き勝手に質問できる。日本はあらかじめ質問を渡しておいて、それに答えてもらう。厳しい質問は記者クラブに怒られる。これは国民を向いた姿勢でなく自分たちが安穏と過ごすための姿勢。 #daysjapan posted at 16:18:52
  • 上杉「海外では政治家が厳しい質問に鍛えられ、成長する。ジャーナリストも質問するために勉強する。そういうメディアと権力の打々発止で、国民に必要な情報が明かされ、メディアリテラシーが磨かれる。それを阻害している記者クラブはメディアの本質的な問題。 #daysjapan posted at 16:21:55
  • 対談。広河「DAYS JAPANの現状。雑誌、新聞が読まれなくなり、書店での売上が落ちている。一方定期購読が増え支えられてる。ニフティやオーマイから提携の話はあるが、写真の版権料だけ支払ってくれというと離れていく。彼らはコンテンツに一銭も金をかけたくない。 #daysjapan posted at 16:28:28
  • 上杉「ネットが伸び既存メディアが潰れた方がいいという佐々木さんの論だが、自分はそうは思わない。メディア再生の方法はいくらでもあるが、日本のメディアはその選択を放棄している。 #daysjapan posted at 16:35:54
  • kanakob:上杉:日本で新聞社にはいると、ほとんど終身雇用。海外はフリー。1年契約。 posted at 16:32:57
  • kanakob:上杉:日本、会社に入っちゃえば読者に忠誠心を誓うより、会社に向いていたほうが安定する posted at 16:33:40
  • 上杉「メディア再生としてジャーナリスト教育。メディアには見たままを正確に伝えるストレートニュースと、それを分析して主観も入りながら記事にする新聞がある。日本のメディアは前者だけ。 #daysjapan posted at 16:38:07
  • 上杉「毎日新聞共同通信の合併ばなしは、ストレートニュース共同通信にまかせ、毎日は本来的な新聞の役割を果たそうという動きだろう。それが進めば、ジャーナリストが記者クラブから解放される。 #daysjapan posted at 16:40:06
  • 上杉「ネットにおけるジャーナリズムの可能性。ここまでネットが広がっている以上、可能性を探るのが正しい。ネットによって助かったのは、記者クラブ問題は10年前は無視されたが、いまはyoutubeやブロガーが伝え、抗議の声を送ってる。 #daysjapan posted at 16:46:08
  • 上杉「ネットは無料が基本なので、そのあたりが厳しいと感じている。 #daysjapan posted at 16:46:50
  • kanakob:上杉 広河さんが言ったように、「銃を向けられる人の側に立つのは難しい。記者クラブは、やはり権力の側にたつ。」 posted at 16:48:48
  • 上杉「銃を向けられる側に立つのは困難。それをやる人が少なくなってきたと思う。そういう姿勢を取ることがジャーナリズムを支える。 #daysjapan posted at 16:50:35
  • まとめ、そうねえ。今日の話はジャーナリズムの内側の話が多かったけど、そういうこと知った上で報道に接すること、人間の尊厳を尊び、弱者の側の視点を忘れずに報道している信頼できるメディアを見つけること、そこにも無意識の偏向が入りえるのを忘れないこと、かしら。 #daysjapan posted at 17:14:43


あと、その前に行った広河隆一氏の写真展「人間の戦場40年」−核と中東とアジア の感想。

  • オススメプランを参考に写真展みてる。ナクバから50年も経ってるのに戻れぬ故郷を見つめるお爺ちゃんの写真が。RT @suzumeryo: 22日のオススメプランです♪ 10時→ワセダギャラリーで「触れる地球」 11時→大隈タワーで「広河隆一・人間の戦場」 … #daysjapan posted at 13:29:16
  • 広河隆一写真展見てきた。パレスチナへの今年はじめの攻撃で死体の一部が降ってきて以来口の聞けない子供の写真を見て胃がしまった。グロい写真じゃないけどグロい。 #daysjapan posted at 13:47:28
  • 一方でカメラに銃口を向けるイスラエル兵の虚ろで少し戸惑ったような顔を見るともうどうしていいのかわからなくなる。 #daysjapan posted at 13:52:48