ダルフールで何が起きているのか。

『ダルフールの通訳 ジェノサイドの目撃者』の筆者のダウド・ハリは、ダルフール出身。自身の住む村が襲われチャドへ逃げ、ジャーナリストや援助団体の通訳、そしてダルフールへ入るための手助けを仕事ととする。本書には、その目線で見たダルフールの様子が…

ジャン・ジグレール『世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実』

世界の半分が飢えるのはなぜ?―ジグレール教授がわが子に語る飢餓の真実作者: ジャンジグレール,Jean Ziegler,勝俣誠,たかおまゆみ出版社/メーカー: 合同出版発売日: 2003/08/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 104回この商品を含むブログ (24件) を見る…

長沼行太郎『嫌老社会 老いを拒絶する時代 [ソフトバンク新書]』

以下の書評を読んで購入した。こちらの書評も読むことをお勧めする。 404 Blog Not Found:嫌老社会 さっくりと読み終わった。読ませる文章ではないし、構成も少しとっちらかっている印象がある、しかし、お薦めしたい本である。「読んで欲しい」ではなく、「…

カッポレ、カッポレ

司馬遼太郎の『街道をゆく〈33〉奥州白河・会津のみち、赤坂散歩 (朝日文芸文庫)』の赤坂散歩の方に、カッポレという言葉が出てくる。 そのくだりをかいつまんで紹介する。 江戸の民衆は言葉の景気を良くするのに、頭に「掻(カ)っ」というのをつけた。用例…

『ダ・ヴィンチ・コード』女性不在の女性の物語

※このエントリーは小説を読む前に読むと興をそぐ恐れがあります。

佐藤友哉について

僕がこの人を知ったのは大学のときで、中野で映像版『多重人格探偵サイコ』のリミックス映画(元の映像版は三池崇史が監督を務めWOWOWで放送されたもので、それをマンガの原作者である大塚英志が編集し直して映画にしたもの)の上映会があり、その上映前に行…

読まずに批評『国家の品格 (新潮新書)』

僕がこの本について知っているのは、タイトルと帯の文句、武士道を掲げていること、くらいである。その情報だけを元にこの本について語ってみる。 というのも、この情報だけですでおかしいと思うところがあるためだ。 日本が国家としてようやく立ったのは、…

格差と広告:「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」を読んで解消されなかった二つの疑問(2/2)

解消されなかったもう一つの疑問は、広告が収入源となることについてだ。梅田さんは本書の中で、Googleのビジネスが広告であるから、その本質を語る前に聞いてもらえないということを嘆いていた。僕は本書を通読したが、それでもなお広告というところが引っ…

格差と広告:「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」を読んで解消されなかった二つの疑問(1.5/2)

前回の続きを書く前に、前回のエントリに関して、新たに持った疑問について書く。 「集団の知恵」は、力を持つと振舞いを変えるか 力というのは世間に対する影響力で、現在もある程度の力を持っていることは、前回も引き合いに出したホワイトバンドの例を見…

格差と広告:「ウェブ進化論」を読んで解消されなかった二つの疑問(1/2)

ある二つの疑問を持って、梅田望夫著『ウェブ進化論』を読んだ。その疑問とは以下である。 「ネットインフラの普及していない人たちのことはどう考えているのか」 「収入源が広告という事についてはどう考えているのか」 前者については、「集団の知恵(THE …

2005年の本棚の整理(ブクログ)

なんとか今年中に、ブクログに収納した全ての本にコメントをつけ終えることができました。 http://booklog.jp/tana.php?ac=hsksyusk今年読んだ中でよかった本とコメントを以下にピックアップします。 この、「今年読んだ」というくくりは、読む側というより…

飯田哲也『北欧のエネルギーデモクラシー』4章頭までのまとめ

『北欧のエネルギーデモクラシー』に書いてあった、北欧(特にスウェーデンとデンマーク)のエネルギーに関する取り組みが、あまりに衝撃的だったのでこちらにまとめる。 最も衝撃的だったのが、原発撤廃の国民投票と、地域熱供給の普及。 クールビズとかや…

トランスジェンダーに対する僕の認識の変化

今回の記事には、僕の鈍感さ、無神経さが存分に出ています。そういうものを読んでイヤな気分になるのがイヤでしたら、読まない方がよいかもしれません。批判する分には、一向に構いません。最近トランスジェンダー(以下TG)の方と知り合った。その方とのや…

フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))』『天使と宇宙船 (創元SF文庫)』

フレドリック・ブラウンの短編集、『未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))』『天使と宇宙船 (創元SF文庫)』を、2冊続けて読みました。 フレドリック・ブラウンは、1940-60年代に活躍した、SFとミステリーをこなす短編の名手として知られています。同じ…