いがらしみきお『ぼのぼの クモモの木のこと』

同名コミックを映画化した、フル3DCG作品。毛のフワフワ感がよいものの、DVDの特典であるラフ画映画の方がとぼけていてさらによい。1時間程度で終わる。

コミックと比較すると、雰囲気が少々異なる。コミックのぼのぼのは森のちょっとした出来事を淡々と描く。たとえ生死に関わるようなことだろうと、友達との始めて外泊だろうと、同じように淡々と、笑いを織り交ぜて描く。が、映画はそうではない。
ドラマチックなのだ。笑える場面も少ない(かと思えばお約束のギャグをこれ見よがしに持ってくるのが鼻につく)。ぼのぼのはもともとシリアスなのだが、それをドラマチックにしてしまうと、かえって陳腐になる。


森本レオ立川談志といった声優陣、ラストの派手なCGの演出などを見ると、失敗できないというプレッシャーが大きかったのではないか、そのような想像まで抱いてしまった。


ぼのぼの クモモの木のこと [DVD]

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