2005年の本棚の整理(ブクログ)

なんとか今年中に、ブクログに収納した全ての本にコメントをつけ終えることができました。
http://booklog.jp/tana.php?ac=hsksyusk

今年読んだ中でよかった本とコメントを以下にピックアップします。
この、「今年読んだ」というくくりは、読む側というよりも書く側本意の区分だと思いますが、このブログ自体書く側本意ですのでよいのです。

  • 地球のなおし方
    • 成長の限界 人類の選択』をわかりやすくした版。地球の環境がどんな状態なのかのデータ、この先の地球の状態のシミュレーション、これ以上の環境破壊を防ぐための、システム思考という考え方などが紹介されている。冒頭で示されるエコロジカルフットスタンプでは、ここ2、30年程、人類は地球が供給できる以上の資源を使っていることが示されている。今生活できているのは、それ以前の資源の貯蓄(わかりやすいところでは石油)を使っているからだと。
  • 犬と鬼-知られざる日本の肖像-
    • 林道やダム、護岸工事などで山川をコンクリートで埋め尽くす「自然を愛でる国」、狭い住居から満員電車に長時間押し込まれて通勤する「高生活水準の国」、何回も道路を掘り返さないと工事のできない「土木先進国」、原油が海へ流出したときにスコップでしか対処できない「ハイテク国家」、薬害エイズ事件のように世界の医療情報が全く生かされない「医療先進国」、多額の不良債権を抱え込む「経済大国」、口利きで交通違反をもみ消せる「法の下に平等の国」、特定の企業にだけ潰れないよう資金援助する「自由経済の国」、裁判で国が勝訴する率が95%の「三権分立の国」、難民をほとんど受け入れない「世界に開けた国」である日本を、データ付きで詳しく述べた本。
  • 戦争と万博
    • 芸術面から、戦争と万博の共通面を指摘。芸術についてもそれを取り巻く社会についての考察がなされている。何度か読まないとわからなそう。
  • 悪人正機 (新潮文庫)
    • 本当に大事なことが、やや解説不足気味で書かれている。時折手に取って、それについて考えていきたい。
  • エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
    • 同名のNHKドキュメンタリー番組の書籍化。モノは時間が経つと減価するのに、お金は減価しないどころか増価する。そのシステムが社会に成長を強制している。この話は目から鱗。でも、全体的に難しい話だったので、全然読めていないと思う。ケインズとかも勉強しなきゃなと思った。
  • 安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)
    • 信頼と安心を区別し、信頼した方が有益であるということを実験で証明した。信頼と安心を分ける視点が僕には新しかった。実験の信頼性云々というのは、大学の先生がやっていることなんだから、大丈夫だと思っている。視聴率のサンプル数だって少ないのだから。最後の方では、信頼を築くためには情報の公開が必要だと結論づけているが、それは一歩間違えば、息苦しい相互監視社会になってしまわないかな。もう何度か読みたい。

記事のアップは2005年に間に合いませんでした。残念。