世界は寄付を待っているんだぜ!
Blog Action Day に登録されてるブログを読んでると、貧困を解決するのに寄付ってのはあんまり・・・という意見を結構見かけた。
なので今回は、寄付がいかに大事かということを書く。
NGOの話です。
NGOの活動資金はどこから出てる?
NGOの活動資金は、寄付金、事業収益、政府や企業からの助成金でまかなわれる。
このうち寄付金、事業収益を、自己資金と呼ぶ。
助成金は、前者は使途に制限があったり、そもそも取得が難しかったり、制度の変更でいきなり打ち切られたり、長期PJには出にくかったりとデメリットがある。
NGOが自分のやりたい事業をやるためには、自己資金を高める必要がある。
日本人は寄付をしないからNGOはキュウキュウだ。
でも、日本人は全然寄付をしない。
日本 | アメリカ | |
---|---|---|
国民一人あたりのNGO援助実績 | 3ドル | 29.1ドル |
NGO自己資金 | 2.5億ドル | 86億ドル |
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/gaiko/oda/shiryo/hakusyo/07_hakusho/zuhyo/zuhyo3_23.html
だから日本のNGOは資金繰りに苦労してる。やりたい事業があるけど資金がなくてできない。
じゃあ公的資金に頼ろうかってなるけど、NGOの事業のなかには公的資金の得にくいものもあって、そのためNGOは、本来やりたい事業をあきらめて補助金の取りやすい事業に切り替えるところもある。
そのジレンマの中で、日本のNGOはあんまり規模が大きくならないでいる。
NGOの有給スタッフって、日本に3000人くらい。給料も低くて、35才のNGO職員の給料は、同じ世代の会社員の半分くらい。
なんで寄付をしないのか。
こんな状況になってしまったのは、NGOのアピール不足とか、寄付に対する税金の優遇制度の不備、というのももちろんある。
でも今回 Blog Action Day に書かれたブログを読んでいると、寄付という選択肢は意識しつつ、そのお金はちゃんと途上国の困ってる人たちに届かないんじゃないか、とか、途上国の悪い政府を肥やすだけなんじゃないのか、とか、途上国の人たちに援助癖をつけてしまうんじゃないか、とかいう意見が多かった。
寄付は手軽にできるけど、それだけに腰が引けてしまっている感があった。
寄付しない理由ってほんとにあることなのか?
寄付がNGOスタッフに横領されることもあるし、援助物資が輸送中におそわれることだってある。NPO団体を運営している曽野綾子さんは『貧困の光景』の中で、寄付を確実に困っている人に届けるため、すべて自分で現地まで運んでいると書いている。
しかし、そこにそんなにコストをかけるのは、あまりに非効率だ。伊勢崎賢治『NGOとは何か?』では、そういうことは起こりえることとして計算に織り込みむことが大事だと言ってる。
そしてそのことを、寄付する人たちに納得してもらうことも。
NGOの資金が途上国政府を肥やすことはほぼない。援助のおかげで悪い政府の治める国がすこし息を長らえるということはあるかもしれない、でも、その程度。
あと、確かに援助癖というのはあった。だから今は、「住民主体」の開発という視点が大変重視されている。援助が引き上げても住民が自分たちで発展していけるような援助のやり方をしようというのは、大多数のNGOが意識してるし、それをやるためにいろいろ勉強したり手法を考えたりしてる。
NGOスタッフは寄付をどう見ている?
寄付することで、NGOや途上国に悪影響を与えることはほぼないと思っていい。
それどころか、NGOは寄付が集まらなくて資金繰りに大変苦労しているし、定期的に支援してくれる人なんかは大変喜ばれてる。
あるNGOの方は、地方のおばあちゃんが毎月3000円寄付してくれるんだと、大変嬉しそうに語っていた。その言葉からは、おばあちゃんに対してすごい親愛を持ってることが感じられた。
僕が寄付したという話をした際も、それが別のNGOであるにもかかわらず、まるで自分のことのように喜んでくれてた。
ということで、NGOにとって寄付が以下に大事かという話でした。
蛇足。寄付先の参考に。
寄付ポータルサイト「ガンバNPO」から、関心のあるジャンルをたどって寄付先を探すとか。
http://www.gambanpo.net/
ネットワークNGOのJANICが、テーマごとに複数の団体にまとめて募金できる企画をやってる。
http://www.janic.org/modules/smartsection/?tmid=4