まゆ毛と日本人

まゆ毛の機能は、汗などが目に入らないようにすることだと気がついた。
というのも、お風呂を洗っている際、顔に張り付く蒸気としたたる汗を目の上に感じ、どれどれ僕のまゆ毛はちゃんと水を溜めているかなと思いながら鏡を見ると、まゆ毛に限らずおでこやまぶた全体にまんべんなく水滴がついており、まゆ毛に対する期待とその機能不全を同時に認識するに至ったのだ。


僕は母方の祖父に似て一本一本のまゆ毛が比較的長いのだが、同棲している恋人にその不格好で垢抜けない様を指摘され、それ以来小さなはさみを借りて、週に一度のペースで刈り込むようにしている。


機能と見てくれはトレードオフの関係にあり、僕は見てくれの方を取ったと言えば、なるほどそれは何よりも美を重んじるロココの精神に則った刹那的な耽美を思い描かせようが、恥をかかぬよう実をとらなかったのだから、いかにも日本人である。