丹下健三さんの建築

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2005年 09月号で、丹下健三さんの特集をしていたので、コンビニで立ち読みしてみました。

丹下健三さんに対しては、美しくない建築を日本に反乱させた元凶の一人というイメージを持っていたのですが、そういう頭でっかちな思い込みが先行して、肝心の建築はそれほど目にしていなかったので、今回は良い機会となりました。

それで、建築をざっと見た感想です。

どの建築も、斬新かつ整ったデザインでした。形状の美しい建築や、デザインが面白い建築も、少なからずありました。しかし、ほとんどの建築が、周りの環境にとけ込まず、その写真の中で「異物」として浮いていたのです。そのため、どれもそれほど魅力的には写りませんでした。

なかには、環境にとけ込んでいる建築もあります。丹下健三さんがデザインした都市の中の、丹下健三さんの建築です。
ですが、その建築が、その都市が魅力的かというと、そうは感じません。
都市も建築も隙がなさすぎて、変化を加える余地がないためです。

建築を芸術作品としてだけ捉えるならば、それでも良いのかもしれません。しかし、建築は実用品です。そこに住む人間がいて初めて成り立つものです。そして、本当に良い建築は、その両面を満たすものと考えます。
丹下健三さんの建築は、どんな文脈で評価されているのでしょうか。勉強不足で、その辺りのことは全く知りません。

丹下健三さんの建築はこんな風に使われている、だから素晴らしい。といった評価があるのであれば、僕の丹下健三さん*1に対する見方も変わるのかもしれません。

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2005年 09月号

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2005年 09月号

*1:丹下健三さんと何度も書き過ぎでした。