デジタルカメラの選び方

デジカメが欲しい。

6年ほど前にデジカメを買い、当時運営していたHPに毎日写真日記を載せていたが、その閉鎖とともにデジカメは使わなくなった。それ以降はBabyHolgaで主に写真を撮っていたが、現像が面倒だったり高かったりといった理由で、ここ一年半ほど、あまり写真を撮っていない。
しかし、以前デジカメを買った時から写真を撮る事が好きであり、また去年の春先に引っ越した荻窪近辺の街の景色が好きな事もあり、写真が撮りたいという熱は消える事なくくすぶり続けた。2005/8にブログを解説して以来、写真も載せたいという欲求が高まり、そのころからデジカメが欲しいと思いつつ、時たまネットで情報を集めていた。

最近のデジタルカメラの傾向

近年の普及型デジカメを眺めると、高画質、コンパクト以外からのアプローチがトレンドとなっている事がわかる。以前デジカメを選ぶ場合は、コンパクトさと画質のトレードオフの中、どこで妥協するかが問題であった。またはそれ以外の別な要素を1つ見つけて来て決め手にすれば、割と簡単に選ぶ事ができた。
その傾向は、2002/6に発売された、CASIOのEXILIMとともに終焉を迎えた。もちろん現在も高画質化、コンパクト化は続いているが、この2点に対する需要は、この時点で満たされたと言える。


高画質化、コンパクト化競争を終演させたのがEXILIMだとすれば、現在も続くニッチ掘り起こし競争*1時代を始めたのは、2002/12に発売された、Panasonic LUMIX-FZ1である。
光学12倍ズームが最大のポイントで、手ぶれ補正機能を内蔵する事で3脚を使わなくても望遠撮影が可能となった。しかし、画素数は200万と少ない。
「手軽に望遠を楽しみたい!」というニッチな需要を掘り起こした、というより、「手軽に望遠を楽しんで!」と、デジカメの新たな楽しみをメーカーから提案したという方が適切だろう。


これ以降、高画質、コンパクト以外を売りにした製品がトレンドとなり、現在もその流れは続いている。以下にそのような機能の例を挙げる。

  • 高倍率ズーム
  • 広角レンズ
  • 手ぶれ補正
  • 高感度(被写体ブレ防止)
  • 大型液晶
  • 防水
  • 映像に強い
  • レンズが飛び出ないズーム
  • 個性的なデザイン

去年は手ぶれ補正の年だった。今年は高感度だろうか。


最近のカメラはこれらの機能をいくつか持っているものが多い。
以下の記事を参考に、目についたデジカメとそれらの持つ機能の一覧表を作成した。
http://arena.nikkeibp.co.jp/tokushu/gen/20051011/113817/index.shtml

機種名\機能 高画素*2 小型 ズーム*3 広角 手ぶれ補正 高感度 大型液晶 レンズ出ない デザイン その他
CASIO EXILIM EX-S600            
Canon IXY DIGITAL L3                
Canon PowerShot S2 IS                
KONICA MINOLTA DiMAGE X1        
SANYO Xacti DSC-E6                
SANYO Xacti DMX-C6               映像
Sony Cyber-shot DSC-T7            
Sony Cyber-shot DSC-T9        
Sony Cyber-shot DSC-M2               動画・携帯スタイル
Nikon COOLPIX S4            
Nikon COOLPIX S2             生活防水
FUJIFILM FinePix F11                
FUJIFILM FinePix Z2         *4  
PENTAX Optio X               フリースタイル
PENTAX Optio SVi                
PENTAX Optio WPi               防水
Panasonic LUMIX DMC-LX1          
Panasonic LUMIX DMC-FX9              
Panasonic LUMIX DMC-FZ5                
Ricoh Caplio R30              
Ricoh Caplio GX8         マニュアル機能充実
Kodak EasyShare V570         2レンズ搭載

カメラの機種選定に関しては、その機能の組み合わせがいかに自分の趣向と一致しているかが決め手となる。例えば、室内でも雰囲気を損なわずに人物のスナップも撮りたいが、大きかったりレンズが飛び出したりすると相手を構えさせてしまうので避けたい、という場合はFinePix Z1という具合だ。しかしここで、広角も撮りたいなんていう希望も追加すると、それを満たす機種はなく、どこかで妥協点を見つけなければならない。

僕の趣向とデジカメ選定

それでは、僕がどのような形でデジカメを選定したかを書く。

まず、僕のデジカメに対する希望は、以下の通りである。なお、上からプライオリティの高い順で並んでいる。

  • 美しいデザインのものを持ちたい
  • 日常的に、気軽に使いたい
    • ポケットに入るコンパクトさ
    • 起動時間の早さ
    • レンズが飛び出ない事
  • 暗いところでも雰囲気を損なわずにスナップを撮りたい。
    • 高感度、手ぶれ補正
  • 広角レンズを使ってみたい
  • 高倍率ズームを使ってみたい


この希望であれば、Cyber-shot T9が最適と思う。しかし、以下の記事で書いたように、Sonyからは物を買わないようにしているのでダメだ。
不買運動実施中 - フランシーヌの場合は

そうなると、候補はDiMAGE X1FinePix Z2となった。デザインとしてはDiMAGE X1の方が好きだか、高感度撮影機能が失われてしまう。一方FinePix Z2にすれば手ぶれ補正がなくなってしまい、暗いところで静止したものを撮る場合(外食した際に食べ物を撮るなど)はDiMAGE X1よりも荒い画像となってしまう。さらに記録メディアがxD Picture Cardというのがダメだ。

どちらにしろ決め手を欠いたまま、安くなっていた方を買おうと思っていたが、ここへ来てとても魅力的な商品が発表された。Kodak V570である。
表を見ていただければお分かりかと思うが、この機種は高感度でもないし手ぶれ補正もついておらず、暗いところでの撮影に向いているとは言えない。しかしデザインは他のものより美しい。細かいところだがレンズが中央にあるため指がかかりにくいのもうれしい。そしてなにより、レンズを2つ持ち、日常的に使える手軽さを犠牲にせずに広角レンズで写真が撮れる。


広角写真の面白さは、何枚か実例を見ていただくのがわかりやすいだろう。
例えば以下のリンク先のような、広がりのある写真が撮れる。
BLUR | carnival at sunset with a 4sec exposure. | tree & j hensdill | Flickr
これは、Flickrの"28mm or wider"というグループで見つけて来た写真である。グループのURLを以下に記すので、興味のある方は覗いてみるとよい。
28mm or wider | Flickr


話をKodak V570に戻すと、手軽さを殺さずに広角レンズが使える事は、非常にうれしい。このカメラでは暗いところでの撮影が犠牲となってしまうが、被写体ブレはそもそもしょうがないものと諦め、静止しているものに対しては三脚を使ったり気をつけて構えたりして、自分ががんばって補おうと思わされる。それほどの魅力がある。


約半年間ほど悩んだデジカメ選びだが、ようやく決まった。Kodak V570が欲しい。発売が待ち遠しい。


Kodak V570の撮影サンプルはこちら。
http://www.dcresource.com/reviews/kodak/v570-review/gallery.shtml


レビュー記事はこちら。
23ミリの衝撃! 2つのレンズで超広角を実現――コダック「V570」 (1/5) - ITmedia NEWS
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*1:適切な名前が思いつきませんでした。よい名称があれば教えてください

*2:800万画素以上。なお、全カメラが500万画素以上の画素数を持つ

*3:5倍以上。なお、Canon IXY DIGITAL L3以外の全カメラが3倍以上のズーム機能を持つ(IXY L3は2.4倍)

*4:黒に限る