SEの僕の仕事が社会に与える影響を考えた。

僕はIT関連の企業に勤めています。現在の仕事内容は、サーバのセットアップです。OSを入れたり、バックアップソフトを入れたりしています。
業務用のプログラムが動く環境を作ることが最低条件です。その上で、業務プログラムが快適に動く、壊れにくい、壊れてもすぐに復旧できる、といった付加価値を高めるべく努力します。

このようなシステムをつくるのは、ビジネスを滞り無く行える環境を作るためです。この「滞り無く」というのがくせ者です。コンビニで例えるとわかりやすいのですが、一昔前、コンビニが無い頃は、10時開店7時閉店のスーパーで買い物をするのが一般的でした。それがコンビニの出現で7時から11時まで買い物できるようになり、今ではスーパーすら24時間営業が増えています。もし現在、コンビニが10時開店7時閉店となってしまったら、それは買い物が滞ってしまうということになるでしょう。しかし過去は、それで滞り無い状態だったのです。

要するに、「滞り無く」という要求は、どんどんエスカレートします。その要求にSEが応え、結果、経済はスピードを増します。滞った者は容赦なく振り落とされます。

ここで、経済の加速ぶりを示す数字を挙げましょう。

M7の首都直下地震が発生した場合の被害額(単位:兆円)

  • 直接被害*1
    1. 建築物・家財:55.2
    2. 企業資産  :6.7
    3. ライフライン:1.2
    4. 交通施設  :3.1
    5. その他   :0.4

【 直接被害合計 :67兆円 】

  • 間接被害*2
    1. 交通寸断による被害:6.2
    2. 生産・サービス停止による東京都内の損失  :13.2
    3. 生産・サービス停止による東京都以外への波及額:25.8

【 間接被害合計 :45兆円 】


【 被害総額 :112兆円】

  • 最大死者数:13000人

http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutochokka/19/shiryou2.pdfより(PDF)

全体の被害のうち、経済活動が滞ることによる被害が、4割も占めています。何かが壊れるのではなく、働けないためにこれだけの被害が出るのです。感覚的な話ですが、このバランスはおかしいと思いました。

僕は、このような状況を生み出す仕事をしています。

*1:建物が壊れたり、水道やガス、電気などのライフラインが破損する

*2:交通の寸断による流通の停滞や、東京に集中している本社機能の喪失などで経済活動が滞る